症例~下半身

膝痛、水がたまる

膝が痛い人は山程いますよね。また膝に水が溜まりやすくて、その度に抜いてもらっているという話しもよく聞きます。実は私も膝の水を抜いた1人です。ですからこのコーナーは体験談のようなものです。


10年以上前ですが、私は一度左膝に溜まった水を抜いた経験(75ccも!!)があります。確かに痛みは楽になりますが、水は膝周辺の組織から集められたものですから、抜いた後は太ももの周りが右に比べると3cm細くなってしまいました。


しかも機能が正常に戻るまでに3ヶ月も掛かりました。炎症が起きている時に、単にそれを取り除く方法が正しい処置なのかどうかは今でも疑問です。


問題はなぜ炎症が起きているか? だと思います。


私の場合は、中学生の時にオスグットシュラッターと呼ばれる病気を経験しているため、大腿の前面を被う筋肉(大腿四頭筋)が膝のお皿(膝蓋骨)を介してスネ(脛骨)に付着する部分が半分程剥がれて、軟骨が飛び出している状態なので、いつ膝が腫れるか爆弾を抱えているようなものです(後でご紹介します)。


膝に問題を抱える人達を診ていると、共通して検出される問題は食生活との関連と、女性の場合は食生活とホルモン バランスの不均衡が多く認められます。


私達のオフィスは主にアプライド キネシオロジーの検査方法(カイロ治療を参照)を用いて検査を進めますので、膝関節を横切る筋肉の、どの筋肉がバランスを崩しているのかを検査します。


膝の前を上から下に横切る(前述した)大腿四頭筋は小腸との関連を持ちます(図1)。スポーツ選手が必ずストレッチする膝の後ろを支えるハムストリング筋は大腸との関連、また膝の固定に不可欠な、大腿骨の後ろから膝の下にある脛骨に付着する膝窩筋は胆のうとの関連があります(図2)。


太ももを横から支えている大腿筋膜張筋も大腸と関連しています。そして太ももを斜めに横切りながら膝の内側(脛骨の鵞足)に付着する縫工筋(図3)や太もも内側を走行している薄筋は副腎との関連性を持ちます。

少々専門的な話しになって恐縮なのですが、膝を治療して行くには、この多くの筋肉を理解して行かないと、中々治らないのです。


もちろん膝を支える靱帯(側副靱帯や前・後十字靱帯など)の外傷や、クッションの役目を果たしている半月板の問題も無視できません。


何で他の関節ではなくて、膝の問題が多いのだろうといつも不思議に思います。何故なら膝関節は余り複雑な動きは備えていません。


典型的な蝶番関節なので、曲がる動きと、伸びる動きが主な動きです。僅かに回旋したり、側方にも動きますが、股関節や肩関節、または肘関節のようないろんな角度の動きはできません。


単純だからこそ、問題が起こりやすいのでは? と考えられますが、そうであれば、同じ蝶番関節である指の関節はというと、膝関節よりもっと働いています。


今もキーボードを打ちながら、この文章を作成しているのですから。しかも膝は、座ったり、寝ている時は休憩しているのです。全く不思議です。しかも半月板というクッションまで備えているのです。


股関節や足関節には半月板はありません。なのに多くの人は膝に問題が生じます。


とにかく膝は食生活である消化と深い関連を持つようです。特に膝窩筋に出て来ます。膝の固定には、この筋が大きな影響を与えているような気がしています。


膝窩筋は胆嚢との関連があると説明しましたが、これは膝に問題を持つ人達の血液検査をすると、ビリルビンの値が高い傾向があることから始まったそうです。


そこで膝周辺の筋力検査をしたところ、膝窩筋が弱化していたそうです。そして胆嚢に合わせた治療を施すと、膝の痛みが軽減したため、膝窩筋と胆嚢の関連が設定されました。


このように膝は消化との関連があるようです。もし膝の問題がある方は、消化の問題、特に食生活の見直しをしてみて下さい。


不規則な食事時間、間食、夜間の食事、偏った食事、特に胆嚢は脂肪の消化吸収に関与しますから、脂肪を多く含む食事、ジャンクフードなどの食生活の見直しをしましょう。


その他に身体の重心の問題、コラーゲン不足の問題、O脚やX脚の問題などがありますが、次にゆっくりと紹介して行きます。


まずは御自分の食生活の見直しから始めて下さい。必ず糸口がある筈です。

膝が腫れる!

まずはお詫び、図2は上と下が反対でした(180度回転)。失礼しました。


正しくは右の図をご参考にして下さい(左足を後方から観察している状態)。この筋肉が弱化すると膝は非常に不安定になります。


前述したように胆嚢との関係がありますので、高脂血症、高コレステロール症、動脈硬化症などとも関係があります。中には胆嚢摘出手術を受けた方もいらっしゃるかも知れません。


まず膝が腫れたら、コンスタントにお湯を飲むこと、脂肪分を多く含む食べ物は腫れが引くまで控えること、植物繊維が豊富な食べ物を摂取すること、ベータカロチン(またはビタミンAでも構いませんが、大量はダメ、jまた喫煙者または喫煙経験を持つ人はアルファカロチンまたは他のカルチノイドにしてください、ベータカロチンは酸化剤となります)を摂ること、必須脂肪酸(オメガ3:亜麻仁油、シソ油など)を火を通さずに摂ることなどをお勧めします。


後の問題は膝の下の骨が前方に歪んでいる可能性が高いので、しっかりとしたカイロプラクティック治療院で矯正してもらって下さい(もちろん、体全体の歪みを治して、膝に負担がかからないように矯正してもらって下さい)。


私の持病

前にご紹介しましたが、自分は中学生の時に左膝にオスグット シュラッターという病気をやりました。


今回はレントゲン写真をご紹介します。矢印のところが頚骨祖面と呼ばれている部分で腿の筋肉が膝蓋骨(膝のお皿)を介して付着しています(膝蓋靭帯)。


しかし骨がまだ柔らかい時に,この筋肉を酷使してしまうと、筋肉に引かれて付着している部分の骨が引き剥がされてしまいます。


矢印の先にある骨の中に黒い部分が剥がれた部分(骨折とも言える)です。よくこの部分が飛び出している人を見たことがある人も多いと思います。


自分の場合、このように剥がれたままでいるため、ちょっとした負担で残された靭帯の一部部分が裂傷して、急性の炎症が起こります。


栄養的なサポートも必要だと思いますが、自分は膝を用いた治療法を好むため、自分にとって爆弾を抱えた毎日とも言えます。


何とか完全裂傷しないで生涯を乗り越えたいと望んでいますが、こればかりは神のみぞ知るです。


これからも膝や下肢の他の障害もご紹介して行く予定です。体重や重力に逆らいながら生活しなくてはならない私達の下肢に加わる負担は,思っている以上に大きなものです。